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超訳 高校古文 |
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徒然草
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をりふしの移り変わるこそ |
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季節の移り変わりにこそ心が奪われてしまう。
「エモさを感じるのは秋が一番」と人は誰でも言うし、それを否定することもないけれど、秋より心がアゲアゲになるのは春の景色だと思う。 鳥の声もだんだんと春らしくなり、ぽかぽかの太陽を浴びて花畑から芽が出始めると春も本番って感じになる。 (その後)桜の花がだんだん咲き始める頃なんかは良いけれど、タイミング悪く悪天候が続いて楽しむ間もなく散ってしまう。 (結局桜が散ってしまい)青い葉っぱだけになってしまうのを見ながら、何とも言えない気分になって落ち着かない。 (同じ春の花として)橘の花は有名だけれども、やっぱそこは梅の花こそよくて、匂いをかぐと昔のことも当時に立ち返って恋しく思い出すのなんかエモい。 |
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ねこまた |
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「山奥には猫又(ねこまた)という肉食の妖怪がいて、人を食べるらしい、やばくね」と、誰かが言うと「この近所でも、猫が猫又に進化して、人を襲ったらしいぜ」と、言う者もいた。
油小路にある行願寺の近くに住む〇〇という連歌好きな坊さんが、それを聞いてしまって、「一人でうろつく私などは用心しなくては」とビビっていた矢先の事である。 一人で夜道を、ドブ川に沿って歩いていると噂に聞いた猫又がいるではないか。猫又は狙いを定めて足下に突進し素早く飛びつき首を引き裂こうとした。びっくり仰天して逃げようにもガクブル状態になっていて、ドブ川に転げ落ちた。 「助けてええええええ。で、出た。猫又、猫又が出た」と叫んだので、近所の住民が懐中電灯を灯しながら駆けつけた。灯りを照らしてみると、この辺の名物坊主である。「なんで、そんなにアホみたいな姿を晒しているのですか?」と、川から引っ張り出せば、連歌の賞品で貰った小箱や扇がポケットから飛び出してドブ川に浮いている。 崖っ淵から生還した坊さんは、血圧が上がったまま帰宅したのであった。 実は、愛犬ポチが暗闇の中、ご主人様の帰りが嬉しくて尻尾を振り振り抱きついたんだとさ。 |
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ある人、弓射ることを習ふに |
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ある人が弓を射ることを習うときに2本の矢を同時に用意して的に向かった。
すると先生が言った。 「初心者は2本の矢を用意してはダメ。『2本目があるから適当でいっか』って舐めプして1本目を適当にやるでしょ。毎回毎回『この1本にかけるぜ!』って気持ちで練習しないと上手くならん!」 たった2本しかないのに先生の前で舐めプなんてするはずあるだろうか?いや、ないでしょ。とは思うんだけど、多分先生は生徒自身も気づいてない舐めている態度に気づいちゃうもんなんだよねー。 これは弓道に限らずものごと全般に通じる話だわ。 何事においても修行している人は朝には「夕方やればいっか」、夕方になると「明日やればいっか」と思って、繰り返し一生懸命やるということを先延ばしにしちゃうもんです。 普段ですら自分自身が舐めて取り組んでいることに気付かないやつが、どうして弓の練習のように短い時間のなかで、自分が舐めプしていることに気付けるのだろうか、いや気付けるわけないでしょ。 どうして、その一瞬一瞬、きちんと努力するということがこんなに難しいことなのか。 (人ってのはダメな生き物だねぇ) ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 令和の高校生の勉強姿勢にも同じことが言えますね、Sさん!! 係り結びの反語が2回使われているので、テストでそこは絶対出ますわよ! |
枕草子
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木の花は |
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木の花(blossom)シリーズ!
木の花(でナンバーワン)は色が薄いのも濃いのもひっくるめて紅梅がサイコー! 桜は花びらが大きくて葉の色が濃いやつが、枝が細く咲いているのがイイネ! 藤の花は垂れ下がった花房が長く、濃い色が咲いているのなんか超可愛らしいわね! 【橘の花】 四月の月末から五月初旬にかけて、橘の葉っぱが濃い青色で、花が超白く咲いているのを、雨が降ったあとの早朝なんかに見ると、ナンバーワンって思えるくらい良い感じでステキ。 花の中から、(橘の実が)黄金の玉かと思えるくらい、はっきり見えるときなんか、朝露に濡れた朝方の桜にも劣らないくらいイケてると思う。 ホトトギスにゆかりの深い木だと思うからか、やっぱ改めて言い表せないほどステキよね! 【梨の花】(にかこつけて漢文の知識がある私ドヤァのターン) 梨の花はまじでダメだと思ってて、手元において「キレイねー」とかやらないし、(昨今流行ってる)ちょっとした手紙を花の咲いた木の枝につけて贈ることにも使えないし、可愛くない人の顔を見ては「あの人梨っぽいよね」ってディスるのも、なるほどだわ。 葉の色も含めてどこにも魅力がないんだけど、中国では最上級のものとして漢詩で詠んでるのは、やっぱり梨がイケてないとはいっても理由があるのだろうと、強いてイケてるところを探してみると、花弁の端っこに美しい色あいがすこーしついているっぽいわ。 楊貴妃が玄宗皇帝の遣いにあって泣いたという顔を 「梨花の一枝が春の雨に濡れている」 なんて表現をしたのは並々ではあるまいと思うと、(実は)やっぱりとてもすごい花で比べるべくもないんじゃないかと思ったわ。 【桐の花、楝の花】 桐の花が紫に咲いているのはエモいし、葉が広がった様子はいやに大げさだけれども、他の木と比べて論じられないほどカッコいい。 中国で大げさな名前がついている鳥が、選んでこの(桐の)木に留まると聞くし(そういうことを含めて)格別にカッコいいと思う。 まして楽器の琴の材料にもなっていて、色んな音を奏でることになるのは面白いとか普通の表現で納まらないくらいイケてると思う。 木そのものの姿はダサいけど、楝(おうち=今の『せんだん』の木)の花はエモい。枯れたような感じで変わった咲き方をしていて、必ず5月5日に合わせて咲くのも面白いわね。 |
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ありがたきもの |
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めったにないものシリーズ!
嫁さんのお父さん(義理の父)に誉められる旦那。 【波平に誉められるマスオさん】 もしくは旦那のお母さん(義理の母)に大事にされる嫁。 毛がよく抜ける銀のムダ毛抜き。 主のことを悪くいわない召使い。 【先生の文句を言わない生徒】 少しも癖がない人。イケメンで運動神経もよくて性格も良い、ぐう聖な人。【大谷翔平は例外】 職場の同僚(部活の仲間)でお互いに気を遣って、隙なく振る舞っている人が、最後まで欠点を見せずにいけることはまずないでしょ。 物語とか歌集を書き写すときに(その原本を借りて写すんだけど)原本を墨で汚さないで済むことなんてあるわけない。有名な本とかはめっちゃ気を付けて写すんだけど、絶対墨で汚れちゃうよね、仕方ない。 男女の恋愛なんて当たり前だけど、女子同士の「私たちズッ友だよね」って言ってるやつらが、マジで最後までズッ友なんて、めったにないでしょ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー A 途中の段にある書物の件で、一条天皇か定子から借りた大事な本を写経している間に墨で汚して、言い訳を書いた説。 B 仲が良いと思っていた同僚か女友達に裏で悪口言われててムカついて書いた説。 でも、清少納言、もともと友達いなそうだからなぁ… |
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長月ばかり |
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クールだと思うものシリーズ!
9月ごろに、一晩中降り続いていた雨が今朝は止んで、朝日がキラーンって出てるときに、庭の植え込みの葉っぱ水滴がこぼれそうになる感じで濡れているはクールだと思う。 透垣の羅文、軒の上なんかは、貼っていた蜘蛛の巣が破れかかっているところに水滴が(蜘蛛の巣の糸と併せて)真珠が貫かれているように見えて、めっちゃクールね。 (時間が経って)少し日が昇ると、萩などが(水滴が乗って)重そうなんだけど、水滴が落ちて(その反動で)枝が動いて、誰も触らないのにビヨヨーンってなってるのとか、超クール。 って思うんだけど、他の人の心には全く響かないんだろうなー、って思うとこれまた面白いわね。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー (っていうか、人と違う観点でクールさを感じることができる、わたしの感性こそクールじゃない!!??ドヤァ) |
伊勢物語
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東下り1 |
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むかしむかしメンヘラな男がいて自分のことを「俺は何もできない役立たずだから京都にはいられない、東の方に住む場所を探そう」と思った。
それでも1人で行動するのは不安だから友達を2,3人巻き込んで京都を出発した。 全員アホだからか、道を知ってるやつが1人もいなくて迷子になりながらの旅だった。 そうこうしてると三河の国の八つ橋というところに着いた。 その土地を八つ橋と呼ぶのは川の支流が蜘蛛の手足のように分かれていて橋を八つかけていることが由来であった。 その川沿いの木陰に腰を落ち着けて皆でお弁当(乾板)を食べることにした。 そこにはカキツバタという花が美しく咲いており、それを見た1人が 「カキツバタを和歌の最初の文字に限定してここまでの旅の心を歌で詠む遊びをしよう」というので 「からころも きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞおもう」 (何年も着慣れた妻が京都にいることを思い出し、こんな遠くまではるばるきたなぁと しみじみ思うよ) と詠んだら、みんなホームシックにかかったのか、ボロボロ泣き出して乾板がふやけるくらいに泣きましたとさ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 芥川の段で良いとこのお嬢さんをさらって駆け落ちしようとした在原業平はその罰をして東方へ左遷となるのだけれど、そのときの様子をネタにしたのがこの東下り。 物語としては、メンヘラなオッサンが思い余って京都からエスケープするのに逆にホームシックにかかって泣くというコントかよという展開。 そもそも家族を京都に残して逃げるってどうなのさという。 |
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東下り2 |
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さてアホな男一行は、三河の国を越え駿河の国に到着しました。
宇津山という山に到着したのだけれど、今から自分が入ろうとする山道は、めっちゃ暗くて細くて、雑草もすげえ生い茂ってて、なんとなく心細くて、これ絶対怖い目に会うじゃん、ってビクビクしていたら道の反対側から修行者(山伏てきな)が歩いてきました。 その修行者が声をかけてきて「こんなところにどうしているのよ」と言うので見てみると知り合いでした。 (その修行者は自分たちを逆方向に行くということは京都方面に行くのだろうということで)京都に残してきた妻へ、と手紙を書いてその修行者に預けました。 「駿河なる 宇津の山べの うつつにも 夢にも人に あはぬなりけり」 (駿河にある宇津山のように うつつ(現実)でも夢でも 愛するあなたには 会えないので悲しい) 富士山を見ると5月末だというのに、雪が積もっている。 「時知らぬ 山は富士の嶺 いつとてか 鹿の子まだらに 雪の降るらむ」 (TPOを知らない山は富士山というらしい。 今をいつだと思って 鹿の子の(ブチの)ように斑に 雪を降らせているのだろうか) その富士山というのは京都にあるもので例えるならば、大きさは比叡山の20倍くらいで、形は塩尻のような形をしていました。 ーーーーーーーーーーーーー 知らない土地で誰かとすれ違っても、それが知り合いだとは思わないわけで、修行僧が向こうからやってきたときに、スルーしようとした業平サイドは仕方ない! |
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東下り3 |
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さらに東に進んだ一行は、東京都と千葉県の間に流れるものすごく大きな河に到着しました。河の名前は隅田川というそうです。
河のほとりに鳥の群れがいて、その群れを見ながら「いやーとんでもなく遠くまで来ちゃったねぇ」とお互いに慰め合ってしみじみとした雰囲気でした。 そんな雰囲気をガン無視するかのように舟の渡し守が「お客さん、日が暮れちゃうから早く乗ってくれや」と急かすので、仕方なく舟に乗って河を渡ろうとしますが、京都に残してきた人たちを思い、やっぱりしみじみとしちゃいます。 ちょうどその時、(初めて見る鳥だから名前は分からないけれど)白い鳥でくちばしと脚が赤く、大きさは(京都でよく見た)鴫くらいの鳥が、水の上で戯れながら魚を取っていました。 京都では見かけない鳥なので「これは何という鳥ですか」と渡し守に聞くと「これは都鳥っていうんだ」というのを聞いて 「名にし負わば いざこと聞かむ 都鳥 思ふ人は ありやなしやと」 (名前に「都」ってついているくらいだから 京都のことに詳しいだろう 都鳥よ 京都に残してきた人は元気だろうか) と詠んだらやっぱりみんな泣きました! ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 都(京都)から遠く離れた地で初めて見た鳥の名前が「都鳥」だったので結局ホームシックにかかって泣くという最後までブレない男たち! |
土佐日記
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門出 |
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男の人が書くという日記というものを女の私も書いてみようと思って書くピョン
ある年の12月21日の夜8時に出発する。そのことを少し書いてみようと思う。 ある人、県知事の任期の4,5年が終わって、所定の事務仕事も全部終えて、引継ぎ文書なども受け取って、住んでいる官舎から出て船に乗ることになっている(適当)場所に移動する。 あの人とかこの人、知っている人も知らない人も見送りをする。長年めっちゃ親しくしてくれた人々なんかは、別れがたく思って、1日中あれこれ世話をしつつ、大騒ぎしているうちに、夜が更けていった。 22日、和泉の国までは、と無事であるように神様仏様に祈願する。藤原のときざねってやつが、船旅ではあるけれども「馬のはなむけ」をする。 身分の高い人、中くらいの人、低い人、みんな酔っぱらって、たいそう不思議なことに、海のそばでふざけあっている。 |
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門出2 |
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23日。八木のやすのりというやつがいる。この人は役所で必ずしも雇っている人ではないようである。それなのにこの人は、いかにも厳かな様子で、送別の宴をした(無関係な人っぽいのになんでだ…)
県知事の人柄だろうか、トップの心得として「今はもう用はない」といって顔を見せないようだが、道理をわきまえている人は、遠慮せず来た。 これは、餞別の品をもらったからというわけではない。 24日。僧侶が送別の宴をしにきた。人はみな、身分の上下関係なく、果ては子供まで酔っぱらって、一という文字すら知らない者でも、足は十文字を踏んで遊んでいる。 |
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帰京 |
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京都に返ってきてハッピー。家に着いて門をくぐる際に、月が明るくて家の様子がよく見える。
聞いてたよりすごい状態で、どうしようもないレベルでボロボロになっていた…。 家の管理を任せていた人の心も荒んでいたんだろうな。 (隣の家との間の)垣根はあるにはあるけれど一軒の家のようなもんだったから、お隣さんが自ら望んで管理を引き受けたっていう経緯がある。 先方が申し出てくれた、ということではあるにせよ、そこは礼儀としてことあるごとに管理をしてくれてるお礼の品を途切れることなく送っていた。 今晩「こんな状態になるなんてヒドイ!」と、大声で召使に言わせたりなんて、そんな品のないことはしない。お隣さんはとても薄情なやつだとも思うけれど、お礼の贈り物はしようと思う(プライドてきな)。 |
源氏物語
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桐壺 |
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時代は分からないけど、社長の召使(愛人候補)の女性が沢山いるなかで、身分的にはたいしたことがないのに社長にめっちゃ愛されていた女性がいました。
他の愛人候補の女性にしてみれば面白くなく「身分が高い私の方が社長に愛されるに決まってるじゃん」なんて思ってた人たちは「あの女なんなん」とブチ切れモードですし、同じ身分やそれより下の身分の女性たちは「私たちの身分から社長に見初められるなんて滅多にない上に、あの人が選ばれたら、平社員の私たちなんかもうノーチャンスじゃん」とサゲ気分です。 その人が出社すると「ほらあの人よ」てきな噂で持ち切りで、心労が積もり積もったのか、どんどん病弱になっていき、ゲッソリして帰宅することが増えていくのですが、社長サイドは能天気なもので、そんな女性の様子すらも「かーわーいーいー!ラブ!」と思う始末で、他の人が「社長、相手のためにもそういう感じはよくないっすよ」と言いたそうな雰囲気も気にせず、世間で炎上しそうな勢いで愛しまくってました。 社長の側近たちも「ありゃあ付ける薬がないな、見ていられん」といった具合の女性に対する愛し方でした。 だんだん周りが「恥ずくて見てられない」から「なんだよあいつら」という雰囲気になって、噂話レベルじゃなく、悩みレベルになって「中国でもこのようなことが原因で会社が潰れた例があるじゃん」と楊貴妃の例を出す雰囲気になっているなか、女性のほうは「まじ気マズイんだけど」と思いながらも、社長からの愛されっぷりがスーパーであることを頼みの綱として、出社を続けていました。 (さて、その女性の情報としては) 父親の大納言は既に亡くなっていて、母親のほうは古い家柄の出身で教養がある人なので、両親が揃っていて今現在評価が高い他のご令嬢にもそれほど劣らないように会社のどんな仕事でもできるように育てたけれども、流石に父親がいないというのは後ろ盾がないということなので、何かあるときなどは、やはり心細く感じてしまうものでした。 (さて、話題は戻って社長とその女性の現在の話しとしては) 前世でも2人は縁があったのだろうか、この世に比べるものがないんじゃってくらいキラキラしていて美しいイケメンの息子が生まれました。 旦那のほうは生まれた我が子を早く見たいと思って、急いで見にいくったところ、まじでイケメンの顔立ちの息子です。 社長と他の女性との間に先に生まれていた第一後継者の男の子は、立場上もちろん大事に育てられてはいるのだけれど、この生まれたばかりの息子のイケメンぷりには勝てそうになかったので、社長の愛情は第一後継者息子にはフツーレベルの愛情で、イケメン息子には秘蔵っ子という扱いのハイパーな愛情を注ぐことになりました。 母親となった女性は、(たいしたことないっていっても)最初から平社員レベルの身分でなく、周りの評判も高く身分も高い人に見えることは当然なんだけど、社長はいつもそばにおいて、どんなイベントであれキラキラしたイベントであれば、絶対に他の女性ではなくその母親を呼んでそばに居させようとする。 ある時なんか、一晩を共に過ごして2人揃って寝過ごしたあとそのまま一緒に出社してイチャイチャするというような、片時も傍を離れないという母親への愛情を注いでいる間に息子まで生まれたので、その後はますます特別扱いしていこうと考えていて、(そういう考えは態度にも出るわけで)「もしや後継者もこのイケメン息子になっちゃうんじゃないか」と第一後継者サイドは疑ってしまいます。 第一後継者の母親は他の女性より早くに社長の愛人になっていて、息子だけでなく娘も2人の間には生まれていたこともあって、社長本人もその女性を大切だと思ってはいるので「あなた、うちの子が正統な後継者よね」とか「あなた、私とあの女どっちが大事なの」というようなチクチク言われることを無視もできず、厄介であり、また申し訳ないという気持ちにもさせられます。 さて母親になった女性のほうといえば、恐れ多いくらい社長が庇ったり、贔屓してくれることを頼りに出社はしているのだけれども、陰口をたたく人や嫌がらせをしてくる人は後を絶たず、自分自身の体が病弱であり頼りにならない有様なので、社長の愛情が重荷になったりとかえって気苦労が絶えない状況です。ときにこの女性の部屋の名前は桐壺と言いました。 |
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若紫 |
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源氏18歳の夏
日もとても長くやることもなくヒマなので、夕暮れの霞が濃いのに紛れて、あの小柴垣のところへお出かけになる。 お供の人は帰して随身の惟光朝臣と小柴垣の内側を覗き見ると(犯罪!?)、ちょうど見える西向きの部屋には持仏を奉ってお祈りしている尼の姿(これが若紫の祖母)が見えた。 簾を少し巻き上げて花をお供えするところのようである。 中央の柱に寄りかかって座って、肘掛けにお経を置いて、ひどくだるそうに読経している尼の姿は普通の身分の人に見えない。 40歳過ぎくらいでとても色白で上品であり、痩せてはいるが頬のあたりはふっくらしていて、目元のあたりに髪が切り揃えられている先端も、長い髪よりもむしろ今っぽくてステキじゃーん、と深く感心して源氏はご覧になっている。 (他に見える人物としては)こぎれいな年配の女房が2人ほど、その他に子供たちが出入りして遊んでいる。 そのなかに10歳くらいだろうか、白い衣に山吹がさねを糊が落ちて柔らかくなった着物を着て走ってきた女の子(これが若紫)は、他に見えていたたくさんの子供たちを違って、将来の美しさが感じられて大変可愛らしい様子である(ロリコン!)。 髪は扇を広げたようにユラユラとしていて、顔は手でこすったのかとても赤くして立っている。 「何事ですか、子供たちとケンカでもしたのですか」 と尼君が見上げたその女の子の顔に、少し似ているところがあるので、この尼君の娘なんだろうなとご覧になる。 「雀の子を犬君(って名前の若紫お付きの女の子)が逃がしてしまったの。かごに閉じ込めておいたのに。」といってとても残念な様子である。 そこに座っている年配の女房が 「いつものうっかりものが、こんな不始末をして叱られるなんて、ほんとに困ったものですね。(雀は)どこへ参ったのでしょうか、だんだん可愛くなっていたのに鳥などが見つけたら(食べられてしまうかもしれないから)大変です。」 と言って部屋を出ていく。 (その女房は)髪もたいへん長くゆったりとしていて、 |
その他
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検非違使忠明 |
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むかーしむかし、今でいう警察官の忠明って人がいました。
彼が若い頃、清水の橋のあたりで京都のヤンキーたちとケンカになりました。 ヤンキーたちは手にナイフを持ち、忠明を拉致監禁し殺そうとしてくるので、忠明も応戦してナイフを持ち寺の本堂を駆け上がっていきます。 しかし、寺の東側の行き止まりにもヤンキーの仲間たちがたくさん待ち構えていて、忠明に襲い掛かってきました。 そこで寺の中に逃げて、そこにあったフスマ(てきなもの)を両腕に挟んで目の前に広がっていた谷に飛び降りました。 (落ちたら即死レベルの高さでしたが)両腕に挟んだフスマが風にあおられて(パラシュートぽい役割になって)谷底に鳥が降り立つようにフワっと着地することに成功し、そのままそこから逃げていなくなってしまいました。 ヤンキーたちは谷を見下ろして、悔しがって、みんな立ち並んでその様子を見ていましたが、どうすることもできずに追いかけるのを諦めましたとさ。 |
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大江山 |
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百人一首
「大江山 生野の道も 遠ければ まだふみもみず 天の橋立」 「大江山近くにある 生野から続く丹後への行く道が遠いので 母がいる天の橋立に行ったこともないし 当然母からの手紙も届いていませんわよ」 【掛詞】 「生野と行く」「踏みと文」 2種類の掛詞が使われている。 【縁語】 「橋」と「踏む」は相性が良くてセットでよく使われる言葉 母親譲りの和歌の才能と瞬発力でバカにしてきた相手を一瞬で黙らせた小式部内侍のキレッキレの一撃。 この時、まだ中学生くらいだというから驚き。 以下、十訓抄より ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 小式部内侍は幼い頃から天才的な歌詠みとして知られていましたが、あまりの出来の良さに周囲は 「母親がゴーストライターで代筆しているんじゃないか」 という噂を立てていました。 あるとき、宮中で歌会があり小式部はそれに出席を命じられます。 しかし母親は夫の保昌と一緒に赴任先の丹後国へ行っていて京都にはいませんでした。 小式部が自室で歌会の準備をしていると公任の息子である定頼が通りかかり 「今日の歌はどうするつもりだい?丹後に行かせた使いの者は帰ってきたかね?(普段から母ちゃんにアドバイスもらってるんだろうから不安で仕方ないだろ?ママからの手紙は届いたかい?)」 と和歌ハラをかましてきます。 定頼が言いたいだけ言ってその場を去ろうとしたその時、小式部内侍は部屋の仕切りであるカーテンから片手を出し定頼の服の裾をガッと掴みます。 「おいちょっと待て、言い逃げすんな」 そして 「大江山 生野の道の 遠ければ まだ踏みも見ず 天の橋立」 と詠みました。 歌を詠まれたら返歌をするのが当時のマナー。 しかし定頼は歌のあまりの見事さに 「いや、そんなバカな。こんな小娘がこんなにキレッキレの歌を詠むとは…ありえない…!」 と顔を真っ赤にして返歌をすることもできずに逃げ去ってしまったのです。 この話が噂になったとき、人々は 「あの子、実力で定頼様を黙らせたんですって!ママの代筆じゃなくて本人の才能だったのね!ステキ♪」 と小式部内侍を褒めまくったということです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ハラスメントしてきた相手が立ち去るまでの時間で掛詞を2つと縁語を入れて、その上で相手の言ったことを完全否定する、という離れ業。これを弱冠15歳くらいでやってのける小式部内侍がクール! 多少盛ってるのはあるだろうとしても、こういう逸話が残るほどの歌人だったということです。 |
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